06 一筆書きスイングの切り返し


ハンドル(両肩)を降ろしながら右に切る

 一筆書きスイングにはトップ・切り返しが存在しないことは最初に申し上げましたが、それでは、トップ付近において、両腕や両肩は具体的にはどのような動きをしているのでしょうか。

 この点、右参考文献「ゴルフ ナイスショットの真実」では、トップは存在しないが、代わりに、「チルト式のハンドルを、下方にググッと引っ張り下ろしながら右に切っていく」という表現を使っています(同書146頁)。

 この「ハンドルを右に切る」とはどういうことだろうと、動きを理解するのに数年はかかりました。なぜなら、右(打球とは反対方向)に上げた腕を左(打球方向)に戻すのがゴルフスイングだと思っていたので、ハンドル(両肩)を右に切ってしまってはフォロースルーの方向に逆行するのでは?と考えていたので、余りこの表現の意味を深く理解できず、また、再現できずにいました。

 しかし、ソフトボールのウインドミル(風車)投法やテニスのトップスピンを打つときの動きと重ねて考えていくうちに、少しずつこの言葉の意味が解ってきました。
 すなわち、ソフトボールのウインドミル投法は、打者と正反対方向に腕を上げていきますが、打球と反対方向に上げ続けていくうちに、いつの間にか打者の方向に腕が振れるようになります。テニスのトップスピンを打つ際も同じです。ラケットを相手とは反対方向に振り、後ろで弧を描いて相手方向に腕が振れるようになります。

 「打球方向とは反対向きの方向に腕を動かし続けているうちに、いつのまにか打球方向に腕が振れるようになる」という動きを理解することで、ゴルフスイングの概念も変わりました。

 トップなど存在しない、バックスイングとダウンスイングという概念が無い、というのはこういう意味です。

飛行機の着陸態勢

 別の例でお話します。
 飛行機が風向きなどによって、着陸の際にこれまでの飛行方向とは反対向きで滑走路に侵入・着陸しなければならないことがありますが、ある地点で180度急に方向転換しようとすると、おそらくエンジンが耐えきれず失速してしまいます。よって、飛行機は、速度をあまり落とさずにゆっくりと弧を描きながら方向を調節していき、着陸態勢、着陸する方向に入っていくことは容易に想像がつくと思います。

 ゴルフにおいても、バックスイング→トップ→切り返し→ダウンスイングという動作で理解してしまうと、トップで急激な方向転換をしなければならなくなります。トップで止めるのにまず多大なエネルギーを必要としますし、ダウンスイングに入るためにもさらに多大なパワーが必要となります。よほど強靱なアスリートであればこのようなスイングも安定して再現可能かもしれませんが、アマチュアゴルファーでは、安定したスイングを手に入れるのはきわめて難しいかと思います。従来のスイングで切り返しのタイミングが難しいのは、動いたものを止め、また動かすという不自然な動作をしていることが大きな原因と思われます。

 そうではなく、飛行機の着陸時のように、一定方向に向かいながらもいつの間にか方向転換し、着陸態勢(クラブヘッドがゴルフボール)に向かっている、というのが一筆書きゴルフスイングです。急激な方向転換をすることはないので、無駄なエネルギーを使うことがなく、また、クラブヘッドも失速してしまうことはありません。
 非力な人でも安定したスイングを可能にするために、一筆書きスイングは非常に理に適っていると考えます。

「水を入れたバケツ回し」

 例え話ばかりで申し訳ありませんが、「水を入れたバケツ回し」を想像してみてください。結構な量の水をバケツに入れて、その水をできるだけこぼさないまま遠くにバケツごと投げるということを考えてみます。
 ソフトボールのスリングショット投法のような投げ方だと、トップで水をこぼさないようにするには、細心の注意を払わないといけません。ゆっくりと確実にトップまでバケツを引き上げ、水がこぼれないようにダウンスイングするには、下半身もかなりパワーが必要となります。
 従来スイングにおいて、「ゆっくりとスイングするように」とよくレッスン書に書かれていますが、ゆっくりスイングするのは、スリングショット型のゴルフスイングに当てはまるかと思います。もちろん、アプローチショットなど正確なショットをするときには、こちらのほうがいい場合もあります。

 一方で、ウインドミル投法のような投げ方だと、腕を1回転させる間にバケツの水をこぼさないようにするには、遠心力が阻害されないので、それほど難しいことではありませんし、体重移動も腕を1回転させる間に自然とできているので、あとはリリースのタイミングだけを考えればいいということになります。
 よって、スイングもことさらゆっくりとする必要はありません。USPGAの飛ばし屋は、皆、あっという間にスイングが終わってしまいますが、それでも高い確率で真っ直ぐボールが飛んでいきます。
 ウィンドミル型のように、クラブヘッドの遠心力を阻害させないスイングだと、余計な気を遣うポイントが非常に少ないので、スムーズに素早くスイングすることができます。

 チェック項目がより少なくて済むこと、速く振ってもタイミングが取りやすいこと、がより遠くに飛ばすための再現性を高めるために、非常に重要なポイントかと思います。

参考文献など

  • ドラコン日本一山田勉の30ヤード飛距離アッププログラム  さらに飛ばしを目指したい方は、こちらのプログラムもおすすめです。 実際にドラコン日本一になった方が飛ばしの極意を解説されているだけに、説得力満点の教材となっています。 情報教材の性質上詳しくは述べられませんが、このスイングをマスターするのに行うことは以下の3つのステップだけだと説明されています。1.今すぐ始められる「ある打法」を使い飛ばしのコツを覚える2.次に、ある打法と合わせて7つのポイントを実践する3.そして、30ヤード飛距離アップを体感する!→さらなる飛ばしに興味のある方は、こちらのサイトをご参照
    投稿: 2016/09/19 13:48、Masa Matsu
  • モダン・ゴルフ モダン・ゴルフ―ハンディ版 ベン ホーガン (著)手首の動き(外転運動)についても詳しく解説がなされています。
    投稿: 2016/04/23 22:35、Masa Matsu
  • 「速効!ゴルフ飛距離アップ術」  レッスンプロ 吉本巧氏が、飛ばしについて詳しく解説した教材です。 インパクト前後の両肩の動かし方、力を入れるタイミングなど、解説されていて、大変参考になります。 画像や写真も多く、非常に解りやすい教材となっています。 効果が出ない場合は全額返金なので良心的かと思います。 詳細、購入については、こちらのサイトを参照
    投稿: 2016/09/17 19:55、masa matsu
  • ゴルフ ナイスショットの真実 究極のスウィング「ダブルスピン打法」の秘密 (PHP文庫) 文庫手塚 一志 (著) 飛ばしのスイングが、詳しい図解とともに説明されています。 ・ゴルフスイングはオンプレーンではないこと ・トップなど存在しないことについても詳しい解説がなされています。 各人の持つ運動能力を最大限に引き出すための理論をいろいろと説明されており、かなりオススメの本です。
    投稿: 2016/04/23 15:35、Masa Matsu
1 - 4 / 4 件の投稿を表示中 もっと見る »